「果糖」「ブドウ糖」「ショ糖」の
太りやすさ、甘さ、
血糖値の上がりやすさの違いについて
解説していきます。
「果糖」はフルクトース
「ブドウ糖」はグルコース
「ショ糖」は砂糖、スクロースともいいます。
甘さの違い
甘味料の甘みの強さを評価したものを
「甘味度(かんみど)」といいます。
一般的に「ショ糖」の数値を1として、
他の糖類と比較します。
果糖 | 1.2~1.5 |
ショ糖 | 1.0 |
ブドウ糖 | 0.6~0.7 |
ガムやお菓子に含まれる
「キシリトール」や「ソルビトール」の
数値は
ソルビトール:0.6~0.7
キシリトール:0.6
となります。
果糖、ブドウ糖、ショ糖の3つの糖分の
甘さの順位をつけると、
1位:果糖
2位:ショ糖
3位:ブドウ糖
になります。
果糖は糖の中で最も甘みが強く、
冷やすことで、甘みが強くなります。
果糖が多い果物(りんご、梨、ぶどうなど)は
冷蔵庫に入れると、甘くておいしくなります。
ただし、未熟なものを冷蔵庫で
保存すると熟成がとまります。
熟してから、食べる1時間前に
冷蔵庫に入れましょう。
ブドウ糖の甘さは弱いですが、
後に味が残らない
さわやかな味です。
■色を見て感じる「味」がある
人が味を感じるときは
味覚だけでなく、
5感すべてが働きます。
特に5感のなかで、
影響が大きいのが視覚です。
無色に比べて、
赤色に着色したものは甘さを強く感じ
青色に着色したものは甘さを少なく感じます。
青色は食欲を減退させる
色でもあるので、
青色めがねダイエットというものが
昔、流行りました。

血糖値の上がりやすさの違い
血糖値が上がりやすい糖分は
一番、あまい「果糖」のように思えますが、
1位:ブドウ糖
2位:ショ糖
3位:果糖
の順番になります。
「果糖」はなぜ、血糖値を上げないのか?
まず、血糖値があがるしくみについて
説明します。
食事の直後、ブドウ糖は
小腸で吸収された後、
血液の流れにのって、各臓器へ運ばれます。
糖であるブドウ糖が血液中にはいるため、
血糖値が上昇します。
この血糖値の上昇が合図となり、
血糖値を下げるため
すい臓から、インスリンが分泌されます。
インスリンが働くことで、
肝臓や筋肉、脂肪細胞などに
糖が移動します。
糖がこれらの組織に移動するので、
血液中の糖が少なくなり、
血糖値が下がります。
果糖というのは代謝経路が
特殊で、10%がブドウ糖に変換されて、
吸収されます。
残りの90%は果糖のまま吸収され、
肝臓でそのまま直接、代謝されます。
つまり、果糖というのは
血液中に入っていかないので、
血糖値がほとんど上がりません。
※10%はブドウ糖になるので、
多少は血糖値が上がります。
ショ糖はブドウ糖と果糖が
合体したものなので、
血糖値の上がりやすさは
3つの中で、中間ぐらいになります。
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太りやすいのはどの糖分?
血糖値の急上昇が
肥満につながると
考えられています。
血糖値を上げない果糖は
太りにくい糖のように思えますが、
果糖は太りやすい糖です。
果糖は小腸で吸収されて、
肝臓で中性脂肪として蓄積されます。
この中性脂肪として蓄積されるのが
問題なのです。
中性脂肪が増えると、
脂肪肝や肥満をもたらします。
こんな試験データがあります。
果糖の多い飲み物と
ブドウ糖だけの飲み物での比較試験です。
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20131023/164861/
この結果をみると、
果糖のほうが内臓脂肪を増やすことが
わかります。
果糖は満腹感を満たさない
果糖というのは
血糖値をほとんど上昇させません。
ですが、そのために新たな問題点が
浮上してきます。それが、
「満腹感を満たさない」
というものです。
満腹を感じるためには
血糖値の上昇というスイッチが
必要になります。
そのスイッチが入ることで、
脳は「もう、たべてはダメ」という
指令を出して、
満腹感があらわれます。
しかし、果糖は血糖値を上げないので
満腹感が出ず、
ついつい食べ過ぎてしまい
太ってしまうのです。
太りやすさの順位をつけると、
1位:果糖
2位:ショ糖
3位:ブドウ糖
となります。
最後に
太りやすく一番あまい果糖が
多く含まれるのはくだものと清涼飲料水です。
くだものに関してはショ糖、ブドウ糖、
ビタミン、ミネラル類なども含まれています。
血糖値の上昇を抑える食物繊維も
含まれています。
食べすぎなければ
糖質制限などで、くだものを摂るのは
健康にいいでしょう。
しかし、清涼飲料水に関しては
口当たりがよく、
飲みたいときにすぐに飲んでしまいがちです。
糖質制限によるダイエットを行う場合は
避けたほうがいいでしょう。